当たり前のことなのですがシステムは「導入したら終わり」ではありません。むしろ導入後の運用・保守を通じて業務に定着し、継続的な改善を生み出すことで初めて本来の価値を発揮すると言えます。
そのため、ユーザー企業はシステム導入プロジェクトの成功を考える際には、ベンダーの「導入後のサポート体制」がどれだけ整っているかを重視する必要があります。
ここで参考になるのが、国際的なITサービスマネジメントのベストプラクティスである ITIL(Information Technology Infrastructure Library) です。ITILは、ITサービスを効果的に管理・運用するための知識体系で、世界中の企業や公共機関で採用されています。
ITILにおいて、サービスデスクは単なる「問い合わせ窓口」ではなく、ユーザーとIT組織をつなぐ中核機能と定義されています。役割は以下の通りです。
システム障害やトラブルを迅速に受付・解決する。
アカウント追加や権限変更、設定変更など、日常的な依頼に対応する。
ユーザーの声を集約し、改善点をIT部門にフィードバックする。
つまりサービスデスクは「問題が起きたら対応する部署」ではなく、システムを安定して使い続けられるようにするための中心的な役割を担っているのです。そこで当社でもシステム導入後の保守サポートの窓口を「サービスデスク」という名称にしています。
しかし実際には、導入後の保守やサポートが十分でないベンダーも少なくありません。
その理由としては下記のような理由が挙げられます。
ユーザー側が適切にベンダーを選ぶための判断材料としてこの点を是非認識しておいてほしいと思います。
システムを導入する際、ユーザー企業としては以下の観点を確認することをお勧めします。
障害対応だけなのか、日常的な依頼や改善提案まで対応するのか。
メールのみなのか、電話やチャットも可能か。24時間対応か、営業時間内のみか。
ユーザーの声を継続的に収集し、改善に活かす仕組みがあるか。
こうした要素は契約の一部(SLA:サービスレベル合意)として明確に定義できるものです。ベンダー選定時には「開発能力」だけでなく、「保守運用をどう支えるか」を必ず確認することが重要だと考えます。
当社はITILに準拠したサービスデスクの考え方を基盤とし、アメリカでの10年以上の経験をもとに、可能な限りユーザーに寄り添った保守・運用サービスを提供してきました。サポート範囲・連絡手段・対応時間をあらかじめ協議し、契約に明確化することで、利用者が安心してシステムを使い続けられる環境を整えるように努力しています。
他社が開発したシステムであっても、協議を通じてスコープを合意した上で、当社がサービスデスクを担うことも可能なケースもあります。これは、ユーザー企業の立場に立ち「継続的に改善し、業務に役立つシステム」であり続けるための支援だと考えています。是非ご相談ください。
システム導入後の保守・運用は、単なる「おまけ」ではなく、業務に価値をもたらし続けるための中核です。ITILが示す通り、サービスデスクは障害対応だけでなく、ユーザー支援と改善活動の中心として機能するのです。
ベンダーを選定する際は、開発力だけでなく「導入後にどれだけ伴走してくれるか」を確認することが失敗しないための重要な視点です。当社もお客様にとって信頼できるパートナーになるべくサービスデスクのサービスを提供しています。
「IT業務の頼れるパートナー」にお悩みの企業様はぜひ当社にご相談ください。