2025.09.23
  • 経営とIT

サービスデスクの重要性(アフターフォロー・保守)

サービスデスクの重要性(アフターフォロー・保守)

「導入後のサポート体制」がベンダー選択の肝

当たり前のことなのですがシステムは「導入したら終わり」ではありません。むしろ導入後の運用・保守を通じて業務に定着し、継続的な改善を生み出すことで初めて本来の価値を発揮すると言えます。

そのため、ユーザー企業はシステム導入プロジェクトの成功を考える際には、ベンダーの「導入後のサポート体制」がどれだけ整っているかを重視する必要があります。

ITILにおけるサービスデスクの役割

ここで参考になるのが、国際的なITサービスマネジメントのベストプラクティスである ITIL(Information Technology Infrastructure Library) です。ITILは、ITサービスを効果的に管理・運用するための知識体系で、世界中の企業や公共機関で採用されています。

ITILの役割

ITILにおいて、サービスデスクは単なる「問い合わせ窓口」ではなく、ユーザーとIT組織をつなぐ中核機能と定義されています。役割は以下の通りです。

インシデント管理

システム障害やトラブルを迅速に受付・解決する。

サービスリクエスト対応

アカウント追加や権限変更、設定変更など、日常的な依頼に対応する。

利用者支援の窓口

ユーザーの声を集約し、改善点をIT部門にフィードバックする。


つまりサービスデスクは「問題が起きたら対応する部署」ではなく、システムを安定して使い続けられるようにするための中心的な役割を担っているのです。そこで当社でもシステム導入後の保守サポートの窓口を「サービスデスク」という名称にしています。

導入後の保守が軽視されがちな理由

しかし実際には、導入後の保守やサポートが十分でないベンダーも少なくありません。
その理由としては下記のような理由が挙げられます。

  • 開発を優先し、保守フェーズへの投資が後回しになる
  • サポート人員が少なく、対応時間や手段が限定されている
  • 利用者の声を改善に反映する仕組みが整っていない

ユーザー側が適切にベンダーを選ぶための判断材料としてこの点を是非認識しておいてほしいと思います。

ユーザー視点で確認すべきポイント

システムを導入する際、ユーザー企業としては以下の観点を確認することをお勧めします。

1. サービス範囲の明確化

障害対応だけなのか、日常的な依頼や改善提案まで対応するのか。

2. 連絡手段と対応時間

メールのみなのか、電話やチャットも可能か。24時間対応か、営業時間内のみか。

3. 改善活動の仕組み

ユーザーの声を継続的に収集し、改善に活かす仕組みがあるか。

こうした要素は契約の一部(SLA:サービスレベル合意)として明確に定義できるものです。ベンダー選定時には「開発能力」だけでなく、「保守運用をどう支えるか」を必ず確認することが重要だと考えます。

当社の取り組み

当社はITILに準拠したサービスデスクの考え方を基盤とし、アメリカでの10年以上の経験をもとに、可能な限りユーザーに寄り添った保守・運用サービスを提供してきました。サポート範囲・連絡手段・対応時間をあらかじめ協議し、契約に明確化することで、利用者が安心してシステムを使い続けられる環境を整えるように努力しています。

他社が開発したシステムであっても、協議を通じてスコープを合意した上で、当社がサービスデスクを担うことも可能なケースもあります。これは、ユーザー企業の立場に立ち「継続的に改善し、業務に役立つシステム」であり続けるための支援だと考えています。是非ご相談ください。

まとめ

システム導入後の保守・運用は、単なる「おまけ」ではなく、業務に価値をもたらし続けるための中核です。ITILが示す通り、サービスデスクは障害対応だけでなく、ユーザー支援と改善活動の中心として機能するのです。

ベンダーを選定する際は、開発力だけでなく「導入後にどれだけ伴走してくれるか」を確認することが失敗しないための重要な視点です。当社もお客様にとって信頼できるパートナーになるべくサービスデスクのサービスを提供しています。

「IT業務の頼れるパートナー」にお悩みの企業様はぜひ当社にご相談ください。

 

 

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中島 恒久
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COO
中島 恒久
2004年に永住権に当選しアメリカへ移住。日本時代のインターネットプロバイダーでのサポート業務経験を活かしシステム開発会社を起業。その後、表情心理学系スタートアップの立ち上げへ参加。食品卸企業にてオペレーション部門、倉庫・物流部門の責任者を務めた後、2015年にFUJISOFT AMERICA設立に参加。2017年より現職COO。MBA、ITIL4 Foundation、ECBAを取得。法人営業、管理会計、ビジネスアナリシス、プロセス改善を得意領域としている。
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